バイナリーオプションで所定の利益が出た場合は、課税の対象となるため税金を支払わなくてはいけません。
支払う税金は確定申告を行って決まるので、課税対象となった場合は定められた期日に確定申告を行う必要があります。
本記事では、海外バイナリーオプションで出た利益の確定申告について、確定申告の期日や方法を詳しく解説していきます。
2024年のバイナリーオプション確定申告はいつから?
確定申告の期日は、その年によって異なります。
2024年の確定申告期間は、2023年2月16日から3月15日までです。
万が一、確定申告を忘れた場合は遅れて申告をすることも可能ですが、延滞税が課税される場合もあるので、特別な理由がない場合は期間中に行っておきましょう。
また、確定申告を行わなかった場合も、無申告課税というペナルティが設けられています。
バイナリーオプションで利益が出ている状態(課税対象)であったにも関わらず、確定申告を行わなかったり虚偽の利益を報告してしまうと脱税として罰せられるケースもあります。必ず確定申告は行っておきましょう。
近年では、新型コロナの影響もあり申告期間の延長をするケースも増えているので、詳しい期間に関しては国税庁のHPをチェックしておきましょう。
申告する年の前年分が対象
バイナリーオプションで出た利益は、確定申告をする前年の利益で申告する必要があります。
確定申告期限:2023年2月16日から3月15日
申告する利益:2023年1月1日から2022年12月31日までの利益
バイナリーオプションの会社によっては、数カ月単位の長期取引が可能です。
長期取引の場合では、年を跨いで利益が発生する可能性もありますが、2024年に出た利益は翌年の申告で申請します。
含み損や含み益は計算外となり、あくまでも1月1日から12月31日までに確定した利益が対象です。
通年で負けている場合や、課税対象の利益以下であれば確定申告は不要ですが、課税対象となる利益が出ている場合は必ず確定申告をして所定の税金を支払うようにしましょう。
また、出金をしなければ申告の対象外と勘違いする方も多いですが、バイナリーオプションで利益がでているのであれば申告をする必要があるので注意してください。
バイナリーオプションの確定申告ルールについて
次に、バイナリーオプションで出た利益を確定申告する際のルールを紹介します。
注意点等も含めて詳しく見ていきましょう。
海外バイナリーオプションは雑所得で申告する
海外バイナリーオプションは、雑所得での申告になります。
国内バイナリーは申告分離課税という別の項目で申告する必要があり、海外と国内で申告ルールが異なるので注意しましょう。
複数業者の場合でも別々に入力する
海外バイナリーオプションの業者を複数使っている場合でも、自身で金額は合算して計算するのではなく、別々の雑所得項目で申告しましょう。
申告方法は後ほど詳しく解説しますが、申告時には金額だけではなくバイナリー業者の会社名や住所を入力する項目があります。
一括して申告すると、どのバイナリーオプション業者で申請していいか分からなくなるので、必ず別々の項目で入力して申告をしてください。
マイナス分の申告もできる
バイナリーオプションで出た利益の確定申告では、マイナス分の申告も可能です。
例えば、バイナリーのA社で50万円の利益が出ていたとします。
併用しているB社で20万円の損失が出ていた場合、課税対象は50万-20万で30万円です。
B社のマイナス分も同時に申告をしておくことで納税額が低くなります。
また、バイナリーオプションに限らず赤字や損失は他の雑所得とも相殺が可能です。
マイナスが出ている場合でも申告をしておくことで、若干の節税になるケースもあるので覚えておきましょう。
バイナリーオプションのような雑所得の赤字は、同じ区分である雑所得のみ相殺が可能です。他の給与所得などとは相殺ができないので注意しましょう。
海外バイナリーオプションの確定申告の必要書類
確定申告前には、以下の書類を用意しておく必要があります。
- 申告書B(第一表、第二表)
- 本人確認書類の写し
- 給与所得の源泉徴収票(原本)
- バイナリーオプションの年間取引報告書
- 社会保険料の控除証明書
- 医療費の明細書、領収書
- 住宅ローンの控除の残高証明書
環境や境遇によっては、上記すべての書類が必要ない場合もあります。
自身の申告に必要な該当書類を用意しておきましょう。
バイナリーオプションで出た利益を申告する際は、バイナリーオプションの年間取引報告書が必須となります。
年間取引報告書について
年間取引報告書は各バイナリーオプション会社を通して発行できるので、確定申告前に発行して管理をしておきましょう。
ハイロー.com(旧ハイローオーストラリア)であれば、マイページの取引履歴の欄から年間取引報告書を発行できます。
画面右にある検索項目から申告する年の1月1日~12月31日までを選択して検索すれば年間でどれだけの利益が出ていたかを把握可能です。
検索後は、PDF形式かエクセル形式でのダウンロードができます。
ダウンロード後に紙へ出力するかは任意ですが、年間取引報告書は所定の保管義務が設けられているので、データではなく紙にしておくと後々便利でしょう。
海外バイナリーオプションの確定申告のやり方
続いて、海外バイナリーオプションの確定申告のやり方を解説していきます。
手順と共に詳しく見ていきましょう。
確定申告の対象であるかをチェック
まずは、自身が確定申告の対象であるかをチェックします。
海外業者を使ってバイナリーオプションをした場合は、以下のような方が対象です。
税金が発生するライン | |
---|---|
大学生、専業主婦、専業トレーダーのような非会社員 | 年間48万円以上バイナリーオプションで稼いだ場合 |
会社員または公務員 | 年間20万円以上バイナリーオプションで稼いだ場合 |
アルバイトやパート | 給与所得以外の所得(バイナリーオプションを含む)が20万円を越える場合 |
退職・転職・個人事業主やフリーランス | 給与所得以外の所得(バイナリーオプションを含む)が20万円を越える場合 |
上記条件を満たしている方は申告の対象となるので、確定申告を行う準備をしておきましょう。
前年度の収入や経費の確認
確定申告をする前に、まず前年度の収入や経費の確認を行っておきましょう。
会社員の方であれば源泉徴収表などの書類でチェックが可能です。
また、バイナリーでの年間利益は各海外バイナリーオプションの公式サイトから取引履歴を見て確認をしておきましょう。
その他、経費として計上できるものはないか、または経費計上用の明細書などから、申告に必要な金額が記載された書類をチェックしておきましょう。
必要書類の準備
会社員の方であれば、給与所得の証明として会社から発行される源泉徴収票が必要となります。
また、バイナリーオプションでの利益が出ている場合は、前述した年間取引報告書の準備もしておきましょう。
その他、経費の証明となるものも準備しておいてください。
確定申告書類の作成
確定申告書類の準備ができたら、いよいよ確定申告を行っていきます。
確定申告をする際は、国税庁のHPにある「確定申告書等作成コーナー」から作成をしていきましょう。
まずは書類の作成方法を詳しく見ていきます。
国税庁HPにアクセスする
まずは、国税庁の公式HPにアクセスしましょう。
公式HPの画面を下にスクロールすると、申告手続きという項目が表示されるので、「確定申告書等作成コーナー」をクリックしてください。
令和4年分の確定申告書等作成コーナーは、令和5年1月4日(水)公開予定となっているので、2022年12月現在は令和3年分までの確定申告が可能です。令和3年の確定申告を行う方は、令和3年確定申告特集から申告書作成を行ってください。
ページの中央にある「確定申告書等の作成はこちら」をクリックします。
その後表示される画面にて「作成開始」をクリックしてください。
提出方法の選択
次に、提出方法の選択を行います。
・マイナンバー方式で提出(2次元バーコード)
・マイナンバー方式で提出(ICカードリーダライタ)
・ID・パスワード方式
・印刷して提出
上記の提出方法のいずれかを選択しましょう。
その後、利用規約と同意画面が表示されるので、同意して先に進んでください。
またその後表示される申告年の指定も行っておきましょう。
2023年の2~3月に申告する場合は、令和4年の申告が必要となります。
バイナリーの利益を入力
次に表示される画面から「所得税」の項目を選択しましょう。
海外バイナリーオプションで出た利益は、表示された項目から「雑所得」「その他」に分類されます。
画面中央にある「入力する」をクリックしましょう。
次に表示された画面で、必要情報や出た利益を入力していきます。
- 種目→その他「オプション」
- 収入金額→海外バイナリーオプションで出た利益額
- 必要経費→海外バイナリーオプションに関する支出の額
- 源泉徴収税額→0円
- 所得の生ずる場所→海外バイナリーオプション業者の住所(国名でOK)
- 報酬などの支払者の氏名・名称→海外バイナリーオプション業者の会社名
上記の通りに入力をしていきましょう。
複数のバイナリー業者を使っている場合は、マイナスの出た会社も入力しておくと相殺が可能です。
会社名や会社住所は、各海外バイナリー業者の公式HPかサポートに問い合わせて聞いておきましょう。
入力が完了したら右下にある「入力内容の確認」をクリックして、確認できれば完了となります。
その他項目の入力
海外バイナリーで出た利益が入力できたら、次にその他の入力項目(該当するもの)を入力していきましょう。
会社員の方で給与所得などある方や、保険の控除など各自様々です。
必要情報を入力できたら、右下の「入力終了(次へ)」をクリックしましょう。
住民税・氏名・住所の入力
次に、住民税の入力を行います。
その後、氏名、住所、マイナンバーの入力が完了すれば確定申告書類の作成が完了です。
STEP⑤確定申告書類の提出
作成した書類は、お住まいの地域近くにある税務署へ提出をします。
確定申告書類作成の最初に選択した方法で、作成した書類を提出しましょう。
なお、確定申告書類提出後に不備や入力漏れがあると後からの対応ができないので、事前に入力内容はよく確認しておいてください。
- 確定申告書B第一表
- 確定申告書B第二表
- 確定申告書B第一表(控え)
- 確定申告書B第二表(控え)
- 添付書類台紙
- 提出書類のチェックシート
確定申告書の控えは各自で保管をして、原本の方を送付する必要があります。
控えは管理義務があるので大事に保管しておいてください。
提出書類のチェックシートには必要となる書類が明記されているので、参考にしながら税務署へ送りましょう。
STEP⑥確定した税金を納税する
最後に、確定申告で決まった税金を納税します。
確定申告の書類作成段階で支払い義務のある所得税が表示されるので、決められた期日までに納税をしておきましょう。
所得税は納税通知などが来ないので、自身で把握しておく必要があります。
- 現金による納付の場合→銀行や税務署から納付書を貰って支払う
- e-taxの場合→e-taxからくる通知でネットバンキングでの支払う
- クレジットカードの場合→国税クレジットカード支払サイトにアクセスして支払う
- 振替納税の場合→預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書に必要情報を入力して支払う
なお、住民税は申告した年の6月に支払い額が確定します。
バイナリーオプションで稼いで所得税まで払ったからといって、余った全ての利益を使うのは禁物です。6月以降の住民税も残っているので、必ず残しておくようにしましょう。
以上で、確定申告が完了となります。
確定申告の後には必要書類を保存しておく
確定申告で必要となる書類は、直接税務署に送付する必要がありません。
しかし、申告時に用意したバイナリーの年間取引報告書などの書類は一定期間保管しておく義務があります。
・青色申告の場合→7年
・白色申告の場合→5年
保管期間が長く設定されているので、年別に分けて保管をしておくと良いでしょう。
また、バイナリーオプションの公式サイトから再度発行することも可能です。
バイナリーオプションの会社を解約をしてしまうと年間取引報告書が発行できなくなってしまうので、仮にバイナリーの取引をしなかったとしても解約はせずに口座を放置しておくと良いでしょう。
万が一、入力内容に不備があったり、税務署から虚偽を疑われたとしても、年間取引報告書を手元に用意しておけば特に大きな問題も起きません。
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