バイナリ―オプションに少し慣れてくると、両建てに興味が出てくる方も多いのではないでしょうか?
筆者自身も、バイナリ―オプションを始めて数か月後に両建ての存在を知り、興味を持つようになったので、両建てに興味が出てくる気持ちが非常に分かります。
そこで、今回の記事では両建てに関する基礎知識から、両建ての注意点、有効な状況や攻略法まで網羅的にご紹介。
「両建ては利益を増やすために必要な取引なのか?」
「両建てをどのように利用したら有効になるのか?」
このような疑問を抱いている方におすすめの記事となっています。
バイナリ―オプションにおいて両建てを有効に活用したいと考えている方にか必ず参考になる記事になっているので、ぜひご覧ください!
目次
両建てとは?
まず初めに「両建てとは何か」というところから説明をしていきます。
バイナリ―オプションにおける両建てとは、ハイとローどちらのポジションにもエントリーをすることを指します。
同時に二つのポジションにエントリーすることのみを両建てと言う方や、タイミングをずらしてエントリーするのが正しい両建てだと主張する方もいますが、今回の記事ではどちらの両建てについても解説していきます。
そもそも、タイミングが違う両建てについては、目的が違うものであると筆者は考えています。
同じタイミングでハイロ―どちらにもエントリーをするのは「利益を得るため」の両建てです。
下のチャートはUSDCHFにボリンジャーバンドを表示させて、赤丸部分がエントリーのタイミング、青丸・黄色丸が転売を行うタイミングを示したものになります。
赤丸でハイロ―どちらにもエントリーをして、青丸部分でローのポジションを転売し、黄色丸部分でハイのポジションを転売すれば、利益を総取りすることが出来るのが分かると思います。
このように、高いリスクを背負う分、それ相応のリターンを求めるというのがこちらの手法の両建てになります。
それに対して、別のタイミングでずらしてエントリーをする両建てについては「損失を抑えるため」の両建てです。
下のチャートは、USDCHFにボリンジャーバンドを表示させて、赤丸部分がエントリーのタイミング、青丸部分が逆に両建てを行ったものになります
バンド内を下抜けて下落トレンドに転じると考え、赤丸部分でローでエントリーしたは良いものの、想定とは違う方向に推移しているのが分かると思います。
そういった場合に、青丸部分にハイでエントリーし直すというのが、「損失を抑えるため」の両建てということです。
以上のように、両建てには、稼ぐために利用する両建てと、損失を抑えるために利用する両建てが存在するということは理解しておきましょう。
両建ては禁止行為?
両建てが禁止行為ということについて、皆さんも耳にしてことはあるのではないでしょうか。
確かに国内のバイナリ―オプション業者の多くは両建てを禁止行為としています。
海外の業者の中でも両建てを禁止としているところはありますが、ハイロ―オーストラリアなどの有名バイナリ―オプション業者は利用可能な場合が多いです。
詳しくは、業者に問い合わせるのが正しいですが、筆者自身利用しているハイロ―オーストラリアについては問題なく利用できます。
そのため、「両建ては禁止行為?」という問いに対しては「禁止行為としている業者も一部存在するが、認められている業者も存在する」と答えるのが一番わかりやすいかと思います。
両建ての注意点
では、ここからは両建てを実際に行っていく際の攻略法について詳しく紹介していきたいと思います。
まずは、両建てを行う際の注意点について把握しておきましょう。
以下では、4つの注意点を紹介していくので、それぞれの概要について簡単に解説していきます。
利益を得るためと損失を抑えるための区別が必須
先ほども詳しく紹介しましたが、これが一番重要なことになるので再度おさらいです。
エントリーのタイミングを同時にしているのが「利益を得るため」
エントリーのタイミングをずらしてるのが「損失を抑えるため」
タイミングをずらしているだけではありますが、以下の記事では二つの手法を把握していることを前提にして解説していきます。
そのため、区別の違いを理解できていないという方は、先ほどの説明を理解してから読み進めるようにしてください。
転売の活用が必須
また、両建ては転売の活用が必須になる取引です。
転売とは、「取引の期限が来る前に利益または損失を確定させる取引」のことを指します。
つまり、利益を得るための両建てを行う際に、転売を行うことは必須になってくるということです。
先ほどのチャートをもう一度見てみましょう。
赤丸部分で両建てで入った際に、青丸部分でローを転売し、黄色丸部分でハイを転売するというのは先ほど説明した通りです。
仮に転売を行わなかった場合、当然どちらのポジションにおいても損失が発生するリスクがあるため、転売は必須ということになりますね。
手数料がかさむことに要注意
両建を行う際に転売が必須になってくるというのは先ほど説明した通りです。
ただ、転売の利用は通常の取引と比べると高い手数料を取られてしまいます。
その転売を活用することによって、手数料がかさむことには注意が必要です。具体例を挙げて考えてみましょう。
1つのポジションへの掛金が1万円、通常のペイアウト率が2倍、転売のペイアウト率が1.5倍の場合を前提としておいておきます。
その時、両建ての戦略がうまくはまり利益を獲得できた場合、1万円×1.5×2=3万円の利益の獲得が出来ます。
一方で、通常のエントリーで二つのポジションで勝てた場合は、1万円×2×2=4万円の利益です。
つまり、1万円分だけ両建ての戦略の方が利益が少ないということになります。
このように、手数料が通常の取引と比べて高くなるということに留意しておきましょう。
損失が膨らむリスク
両建を行う際の最後の注意点として、「損失が膨らむリスク」があるということ。
両建は二つのポジションをとる取引というのは何度も説明してきた通りです。
そのため、転売のタイミングを逃してしまった場合、損失は膨らんでしまいます。
実際に取引をしてみると、このリスクは非常に怖いもので、冷静に転売を実行していくのは非常に難しいことが分かると思います。
下のチャートはUSDCHFにボリンジャーバンドを表示させたものになります。。
赤丸部分で両建てのエントリーをした時、青丸部分でハイのポジションの転売はまだ可能でしょうか?
その後ローのポジションを持ち続けるということを考えた場合、取引期限までハイのポジションを保持して、ローの損失をなるべく抑えたくなる気持ちが出てくると思います。
取引を実際に行っている場面においては、青丸部分でハイのポジションを転売して、為替が下がってくるのを待ち続けるのが非常にしんどいことが分かると思います。
ただ、その後為替の動きが逆になってしまった場合、ハイのポジションを転売して得られたはずの利益はなくなってしまいますよね。
このように、実際の取引の場面で冷静に両建ての転売を実行するのは非常に難しいことです。
リスクを理解したうえで、両建ての取引を行っていく必要があるので注意してください。
両建て(稼ぐため)が有効な状況
両建てには稼ぐための両建てと、損失を抑えるための両建ての二つがあるというのは何度も言った通りです。
ここからは、まずは稼ぐための両建てが有効になる状況を開設していきます。
変動性が高い時
まずは為替の変動性が高い時です。
為替の変動性が高いということは、上下に振らされやすい状況にあるということになるので、両建ての戦略が上手くはまる場合が多いです。
下のチャートをご覧ください。
為替が一時的に急落をした後、変動性が高くなったと判断をして赤丸部分でエントリーを行ったとします。
その後、為替が下落した青丸部分でローのポジションを転売し、為替が戻った黄色丸部分でハイのポジションを転売を行うことが出来たら、利益を獲得することが可能です。
急なイベントの発生時や経済指標の発表直後は、市場参加者が材料を織り込め切れていないため、変動性が高くなる場合が多くなります。
そういった変動性が高くなる局面においては、上述のように両建てで稼ぎやすくなるということです。
レンジ相場の時
また、変動性が激しい時とは逆にレンジ相場で落ち着いた為替の推移を見せている時も、両建てが有効になりやすい状況となります。
こちらについても、下のチャートをご覧ください。
レンジ相場で為替が落ち着いた推移となっているの確認した後、赤丸部分でエントリーを行ったとします。
その後、青丸部分でローを転売、黄色丸部分でハイを転売すれば、利益の獲得が可能になります。
日本時間の日中は割と落ち着いた為替の推移となっていることが多いので、こういったレンジ相場になりやすい傾向にあります。
そのため、特段材料が出てこなさそうな、日中にこうした両建ての戦略を取るのをお勧めですよ。
両建て(損失を抑える)が有効な状況
続いて紹介するのは、損失を抑えるための両建てが有効になる状況です。
個人的には、利益を得るための両建てよりも、損失を抑えるための両建ての方が利用することが多いため、こちらの解説の方が丁寧になってしまいます。笑
そもそも、先ほど利益を得るために有効な状況として紹介した「変動性が高い」「レンジ相場」を実際の取引の場面で見つけるのは非常に難しいことなんですよね。
後から見れば、レンジ相場だったとか、変動性が高かったとかは簡単に言えるんですが、リアルタイムで見極めるのは本当に難しいです、、、
少し話がそれてしまいましたが、損失を抑えるための両建てが有効な状況というのを紹介していきましょう。
テクニカル分析が反転した時
バイナリ―オプションのエントリータイミングを決めるとき、テクニカル分析を行っている方がほとんどだと思います。
ただ、いくら精緻に分析を行ったとしても、テクニカル指標が反転をしてしまうということが時々ありますよね。
そういった時に両建てを行って、損益を軽減するというのが一つ目の両建てを行う有効な状況になります。
つまり損切りをする代わりに、両建てを行うということです。
転売をするよりも、逆の方向でエントリーしたほうが損失をカバーすることが出来るため、おすすめの方法になります。
下のチャートをご覧ください。
これはUSDCHFのチャートをMACDで分析を行ったものになります。
MACDのシグナルがハイでのエントリーを示唆した赤丸部分のタイミングでエントリーをしましたが、青丸部分のところでテクニカル指標が反転しているのが分かると思います。
そこで、青丸部分でローでエントリーをしたところ、そちらについては思惑通りに為替が推移し、損失をカバーすることが出来ました。
このように、テクニカル分析が反転をした際に両建てを行って損失を補てんするというのはある程度有効であるというのが分かると思います。
ただ、当然リスクはあるのには留意が必要です。
それは損失が倍になるリスクがあるということ。
先ほどのケースは青丸部分でローのエントリーを行い、想定通りに為替が推移した結果、損失を抑えることが出来ましたが、為替が逆の方向に動いたらどうなっていたでしょうか。
ハイのポジションも負けて、ローのポジションも負ける最悪の事態に繋がっていた危険性があります。
そういったリスクが存在するということも十分理解したうえで、損失カバー目的の両建てを行うようにしましょう。
急なイベントの発生時
また、急なイベントが生じた際も、損失を抑えるための両建てが有効な状況と言えます。
予想もしていなかったイベントが発生した場合、為替は急激にトレンド生じる場合が多いです。
例えば、北朝鮮がミサイルを発射したという報道は誰も予想できるものではありません。
ただ、その報道を受けて市場はリスク回避的な動きになることが想定されるため、ドル円とかだと円高ドル安に振れるということになります。
そういった場合、ドル円においてハイのポジション(円安ドル高のポジション)を保持していた場合、いくらテクニカル分析を精緻に行っても負けてしまいますよね。
このような急なイベントの発生時には、損失を抑えるために逆のポジションを構築する、つまり両建てを行うことがベストの選択肢になると言えるでしょう。
両建てで稼げるのか?
ここまで、二つのケースで両建てについて紹介してきましたが、筆者は両建ては稼ぐための手法には向いてないと考えています。
先ほども説明した通り、両建てで稼ぐためには転売を前提としているため、手数料を余分に取られてしまいます。
また、レンジ相場になるとか、変動性が高まるとかそういった状況で両建ては活きると言いましたが、そのような相場になることを予見するテクニカル分析はほとんど存在しません。
テクニカル分析は、一定方向に為替が動くことを見極めるための分析がほとんどです。
つまり、精緻な分析を行えないまま、何となく為替が横ばいになりそうだ、変動性が高くなりそうだという理由からエントリーをする必要になってしまいます。
これは、正直運任せのギャンブルになってしまっているのではないかと筆者は考えています。
そのため、利益を獲得するための両建てについてはあまり推奨していません。
もちろん、明らかに変動性が高い場面(指標やイベントの発生直後)などにおいては有効な状況になるというのは先ほど紹介した通りですが、基本的には避けるのがおすすめです。
しかし、損失を抑えるための両建てについては筆者自身利用していることも多く、取引を行う際には有用だと考えているので、その攻略法についてこれから解説していきたいと思います。
両建て攻略実践
それでは、損失を抑えるための両建ての方法について解説をしていきます。
損失をカバーする両建てを行う際には3つの方法があると筆者は考えているので、以下ではその3つの方法について解説をしていきます。
ルールを決めること
まず一番大事になってくるのがルールを決めることです。
何も考えないまま、損が出そうだから両建てを行っていくというのは、いたずらに損失を膨らませるだけになってしまいます。
そのために厳格なルールを決めて、そのルールに従って両建てを行っていくというのは非常に重要なこととなってきます。
筆者の場合は先ほど書いたようにテクニカル指標が反転した時に、両建てを行うと決めています。
参照するテクニカル分析についても、決めているためそれらの指標が反転した際に両建てを行って損失の穴埋めを行います。
ちなみに、参考にしているテクニカル分析はMACDとRSIになります。
下のチャートは、MACDとRSIを同時に表示させたチャートです。
MACDについては「シグナルが下降局面になったらロー、上昇局面になったらハイ」
RSIについては「70%以上から70%を下抜けたらロー、30%以下から30%以上になったらハイ」
という手法を使ってテクニカル分析を行っています。
これらの指標が逆転した際に、両建てを行って損失を抑えに行くというルールを徹底しています。
突発的なイベントの内容を精査
取引を行っていて、突発的なイベントが発生した時に両建てをして損失を抑えに行くというのは先ほど紹介した通りになります。
ただ、イベントの内容を確認せずに、為替の動きだけを見てイベントが為替相場に与える影響を判断するのは非常に危険です。
例えば、FOMCにおいて無制限の国債買い入れが発表されたという報道が流れてきたとして、現在取引している為替相場にどのような影響を与えるか即答できるでしょうか。
すぐに答えが思いつくのであれば、両建てを行って損失をカバーしに行ってください。
ただ、答えが思いつかないまま、相場の動きだけを見て両建てを行うのは非常に危険です。
為替が急激な動きをした時に両建てを行いたくなるのはとても分かりますし、有効な手段ではありますが、内容の理解をせずにポジションをとることはやめましょう。
トレンドが発生しているか確認
また、想定していた方向とは逆の方向にトレンドが生じてしまった時に両建てを行うと、上手くいく場合が多いです。
下のチャートは、USDCHFにボリンジャーバンドを表示させたチャートになります。
明確にトレンドが生じて為替が推移している様子が分かると思います。
上のチャートのように、ボリンジャーバンドから離れるか、くっついて為替が推移している様子を「バンドウォーク」と呼びます。
この状況になった時、強いトレンドが生じる場合が多く、逆のポジション(このケースだったらローのポジション)を取っていた場合、両建てを行うのがおすすめです。
他にもトレンドが生じているかを確認するテクニカル分析はいくつかありますが、個人的には「バンドウォーク」が一番わかりやすいと考えているため、これを使って判断するのが良いかと思いますよ。
まとめ
以上のように、両建てについての基礎知識や注意点、両建てが活きる状況や攻略法まで紹介してきました。
何度も書いている通り、両建ては利益を得るための有効な戦略とは言い難い取引です、
ただ、利用方法さえ間違えなければ損失を抑えることが出来る有効な戦略となります。
そのため、この記事の中で紹介した攻略法を用いて、発生するはずだった損失を抑えて、利益を増やす取引を読者の方々が出来るようになったら非常にうれしいです。
他の記事でも、バイナリ―オプションに関する攻略法については細かく解説しているので、良ければそちらもご覧ください!